今日、実印を無くしたとお客様が来店されました。
詳しくお話を伺うと・・・・・
お客様
「家の中にあることは間違いないんだけどなんか出てこないのよねぇ。それでね、前に作ってもらった実印と全く同じものを作ってもらいたくて来たんです。」
私
「あらまぁ紛失されてしまったんですか? それは大変ですね!。それでコピー品を?」
お客様
「そうなのよ。おんなじ実印を作ってくれたら手続きとかしなくていいでしょ? あとから元の実印が出てきても別に困らないし。」
私
「はぁ~、しかしですねぇ、国家資格(一級印章彫刻技能士)を持つ身としては、当店でお作りしたものや他店でおつくりした印章のコピー品をお作りすることはしていないんです。もし当店がコピー品の実印をお作りしたとしたら、お客様は枕を高くして眠れなくなるとおもうんですよ。」
お客様
「???どうして?」
私
「もしお客様とは別人の悪意ある誰かが、自分はお客様の家族の者だと偽り、紛失したから同じものを作ってほしいと言われて、当店がコピー品を作ってしまったらその後はどうなるかを想像してみていただけますか?」
お客様
「こ、怖い~!」
私
「ですからお客様、ぜひもう一度、おうちのお部屋をパート毎に分けて焦らずゆっくりと探しなおしてみていただけませんか?
時々お客様と同じように、紛失したから新しく作ってほしいとのご依頼があるんですが、2~3割くらいの方が後日、『紛失したと思った実印が、ひょっこり出てきたから中止してほしい』と連絡してこられるんですよ。
この場合ですね、ご依頼の当日か翌日の早い段階であれば中止できますが、ハンコに何らかの作業に掛かってしまった段階ではそのハンコはダメになりますので、中止は出来てもご返金は一切出来ないんです。」
お客様
「そうなの?分かったわ。じゃぁもう一度しっかり探してみるわ。」
お客様は、ようしっ探すぞ!と張り切ってお帰りになりました。
◆完全に紛失した!という時は改印届けをしましょう
皆様、印章を紛失して探しても探しても、どうしても出てこないときはコピー品を、ではなく新たに作って区役所などの役場で、これからはこの印章を実印にしますと伝えて新規に登録してください。この手続きは「改印届」と言います。
改印届けさえしておけば、もし実印を盗まれていたとしても犯人は印鑑証明書を出してもらうことが出来ず、盗んだ印章は何の効力も無いただのハンコとなり、よほどのことが無い限りあなたに害を及ぼすことは無くなります。
えーと、そのー、つまり・・・そうです、枕を高くして眠れるのです。(古い表現でスミマセン)
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